日本酒はどんな味?味の種類を知って豊かな風味を体験しよう – ページ 4 – Guidoor Media | ガイドアメディア

日本酒はどんな味?味の種類を知って豊かな風味を体験しよう

日本酒のルーツ その歴史は2000年以上?!

正面の富士山を囲むようにして花が咲いている
参照:ODAN

今でこそ当たり前のようにアルコールの一つとして、また日本を代表するお酒として日本酒は存在していますが、一体いつから人々に親しまれてきたのでしょうか。

そのルーツを多数の歴史家たちは稲作が始まった縄文から弥生時代ではないかと推測しています。

古代日本の酒

古代日本においても、酒造りは神聖な儀式の一部とされていました。

日本の酒類にまつわる記述がはじめて登場するのは、1世紀ごろ中国の思想家、王 充(おう じゅう)が著した『論衡(ろんこう)』です。

倭人から中国の王へ酒が貢がれたことが記されています。ここで登場するお酒は、神への捧げ物や、儀式に使うお酒で、香草「鬱金(ウコン)」を使った「香酒(においざけ)」です。(「秬鬯」「鬱鬯」「鬱鬯酒」などともいう。)

「香酒」は香草をアルコールなどに漬け込んだもので、今でいうハーブ酒や薬用酒のようなものです。

日本書紀に登場する酒 八塩折之酒

日本の歴史や神話が記された、日本最古の歴史書『日本書紀((にほんしょき、やまとぶみ、やまとふみ)』には、スサノオノミコトが8つの頭と8本の尾を持つ巨大な蛇の怪物ヤマタノオロチを倒したエピソードに酒が登場します。

ヤマタノオロチに強い酒「八塩折之酒(やしおりのさけ)」を飲ませ、酔って寝たところを斬って倒します。この時飲ませたお酒については、日本書紀に「汝可以衆菓釀酒八甕(さまざまな木の実を用いて甕8個の酒を醸しなさい」)」との記述があります。

「衆菓」は「もろもろのこのみ」または「あまたのこのみ」と読み、様々な木の実や果実のことを指します。なので日本書紀に登場する「八塩折之酒」は果実酒やリキュール、焼酎のような類のものであったと考えられています。

最古の日本酒「口噛みノ酒(口噛み酒)」

では日本最古の『日本酒』は?そのルーツはどこにあるのでしょうか?

現在の鹿児島県大隅半島・屋久島・種子島・奄美大島の風土記『大隅国風土記(おおすみのくにふどき)』(西暦713年以降)には、加熱した穀物をよく噛み唾液の酵素で糖化させ、野生酵母によって発酵させる「口噛み」という製法で作られた「口噛みノ酒」が登場しします。

これが日本の史実として現在残っている、最古の日本酒の記述ではないかと言われています。

巫女が2人前後に並んで立っている
ジョニーさんによる写真ACからの写真

当時の日本酒は神のためのものであったと言っても過言ではありません。

そのため、この「口噛み」の作業を行えるのは巫女のみでした。

また現代でもお酒造りで「醸す(かもす)」という言葉を用いますが、これはこの「噛む」という言葉が由来するとも言われています。

「君の名は。」などメディア作品にも登場する「口噛み酒」

「口噛み酒」といえば、映画「すずめの戸締まり」、「天気の子」などの監督、新海誠の大ヒット映画「君の名は。」にも登場しました。

主人公の立花 瀧(声:神木隆之介)と宮水三葉(声:上白石萌音)の二人が入れ替わる物語ので、「口噛み酒」は二人を結ぶ重要なキーアイテムとなっています。(三葉は代々巫女の家系でした。)

歴史と共に全国にひろがる日本の酒文化

灯竜が神社の屋根から一列にぶら下がっている
Arceさんによる写真ACからの写真

大和時代に入ると『古事記』、『万葉集』、『風土記』などの文献でも記述が残されているように、日本酒造りは全国に広まっていきます。

奈良時代には造酒司と呼ばれる酒や酢の醸造をつかさどる役所が設けられ、祭事や宗教儀礼に欠かせないものとして日本酒は発展していきました。

その後寺院で造られた僧坊酒が高い評価を得るようになっていくと、庶民にも少しずつ日本酒を飲む文化が根付き、今日の日本では知らない人がいないお酒としての地位を築き上げていったのです。

桜にフォーカスした写真
フリー素材ぱくたそ(pakutaso.com)

また日本酒は四季折々の日本の文化とも深く根付いています。

皆さんもご存知の春の「花見酒」は奈良時代から行われていたそうです。

現在ではあまり聞きなれないかもしれませんが夏には「夏越しの酒」。

これは田植えが終わった時期に庶民たちがこれから暑い夏を乗り切ろう!と願いながら暑気払いをするお酒です。

満月の月見
参照:ODAN

そして秋には月見酒

中秋の名月を鑑賞しながら飲むお酒は言うまでもなく格別ですが、江戸時代の庶民たちにとっては最高のレクリエーションで隅田川界隈の茶屋は大繁盛していたそうです。

冬はもちろん「雪見酒」

紫式部も行っていたと言われ、わざわざ平安時代の人々は雪の中に牛舎を仕立てて楽しむほど。

このように日本人と日本酒の関係は密接なもので、その習わしは今に通ずるものもたくさんあります。四季折々に歴史へと思いを馳せながら日本酒を一杯しみじみしと飲むのも良いですよね。

和らぎ水」で日本酒を健康的に長く楽しもう

日本酒の世界は、本当に奥深く、一つ一つの酒造にそれぞれの歴史とジャパンクオリティの宝庫が詰まっています。

筆者自身もまだ日本酒のひよっこではありますが、少しでも日本酒の魅力を伝えるためにこの記事を執筆しました。

最後に、日本酒を楽しむ際に注意していただきたい点があります。日本酒はかなりアルコール度数の高いお酒ですので、水を合間に飲むことをおすすめします。

ペットボトルやコップに入った水
acworksさんによる写真ACからの写真

お店で日本酒を頼むと一緒に出てくる「和らぎ水」という水があります。
この水は日本酒を飲みながら合間に飲むことを意味しています。

「和らぐ」を表す言葉通り、日本酒により高めのアルコール度数が体内に残りやすい性質を持っています。

それ故に、飲みすぎると喉の乾きやアルコールの影響を強く受けることもあります。二日酔いのリスクもありますよね。

「和らぎ水」を挟みながら日本酒を楽しむことで、水分補給をしつつ、喉を潤し、体内へのアルコールの影響を和らげることができます。

健康的に長く日本酒を楽しむために、適度なペースでお楽しみいただけるよう、ぜひ「和らぎ水」を活用してください。

執筆:Honami / 編集:Taro

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