みなさんは富山県と聞いてどのようなイメージをお持ちですか?
富山県は、日本海と山々に囲まれた美しい自然環境と豊かな食文化が魅力です。
特に、富山湾から獲れる透明な「白えび」や、冷涼な気候と豊富な山岳水源で育まれた「富山県のお米」は、その地域の風土を色濃く反映した特産品でもあります。
これら二つの食材を組み合わせた「白えびせんべい」は、一口で2つの富山県の風味を味わえます。富山の風味を凝縮した一品として、富山県はもちろんのこと全国的に愛されています。富山県のお土産にもぴったりです。
筆者の生まれ故郷でもある富山県の白えびとお米。この二つの特産品の魅力や歴史などを詳しくご紹介します。
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日本の「天然のいけす」富山湾の海の幸と旨みと甘味豊かなお米
富山県は、北陸地方の新潟県と石川県の間に位置し、北側は日本海に面し、南側は三方を山々に囲まれている自然豊かな地域です。
そんな富山県北部と石川県の能登半島に囲まれた富山湾は、深いところで1000m以上の水深があり、太平洋側の駿河湾・相模湾とならんで日本を代表する深い湾の1つといわれています。
また、富山湾では日本海全体に生息する約800種のうち約500種もの生物が生息しており、日本海の海の幸が豊富に獲れることから「天然のいけす」とも呼ばれています。
特に、富山湾の深海に生息する「白えび」は富山県を代表する海産物の1つで、味わい深く栄養も満点です。水揚げ直後には透明な薄紅色をしており、他に類を見ないその神秘的な姿から「富山湾の宝石」と称されています。
また、冷涼な気候と豊富な山岳水源に恵まれた富山県は米作りに適した土地といわれており、富山県で作られたお米は、旨味と甘みが豊かで、品質・口当たりもともに優れていることから全国的にも高く評価されています。
さらに、富山県のお米を語る上で、もち米の食文化も外せません。
富山のお米を使った伝統文化:「柿山」のルーツ「寒餅」
富山弁でおかき・米菓・せんべい類を表す「柿山(かきやま)」のルーツとされている「寒餅(かんもち)」は、薄くスライスしたお餅を自然乾燥させた富山の伝統的なお菓子です。
Youtube 富山県立山町公式チャンネル:かんもち作り・食彩工房たてやま
寒い餅と書く「寒餅」は、寒さが最も厳しい時期についたお餅を約1ヶ月間にわたって風にさらして乾燥させたもので、かつては農家の人々が保存や農作業中のおやつとして作っていました。
なお、富山県(富山市)はもちの購入金額・消費量で全国トップを誇っており、2020年には消費量で全国第1位にもなりました。
余談ですが、小さい頃から富山県産のもち米に舌が慣れてしまい、利き酒ならぬ利き餅ができる筆者。富山県で作られた以外のお餅を食べると「何か違う……」と感じます。
地元で作られたお餅かそうでないかの味の違いがはっきりとわかるほど、富山県民からすると富山県のもち米の美味しさは格別ですよ。
この記事では富山県出身の筆者が富山県の魅力を知ってもらうべく、今や全国的に有名になった「白えび」と、まだまだ知られざる「富山県のお米」に焦点を当て、特産品になるまでの過程を深掘りし、その美味しさや魅力についてご紹介します。
富山県を代表する特産品「白えび」と「お米」その魅力と歴史
富山県には肥沃な土地と豊富な水、そして自然環境や条件によって生み出された特産品が数多くあり、それぞれ確立した美味しさと独特な魅力を持っています。
その1つに「白えび」があります。
今や「富山県と聞いてイメージするものは?」と聞くと、まず初めに「白えび」と答える人も多いほど全国的な知名度も上がりました。
また、「富山県産のお米」も富山県民が自信をもってオススメする特産品の一つです。
北陸地方の米どころといえば、やはり新潟県をイメージされる方も多いと思いますが、実は富山県も県独自のブランド米を開発するほど立派な米どころなんです!
富山県の特産品「白えび」
白えびがたくさん獲れるのは富山だけ!という希少さ
「白えび」は富山湾の海の幸を紹介する上で欠かすことのできない、富山県を代表する海産物の一つです。白えびは駿河湾や相模湾など日本全国の海域に広く生息していますが、漁業として成り立つほど多くの白えびが獲れるのは富山湾のみで、水揚漁港も新湊、岩瀬、水橋の3港のみに限られます。
では、なぜ富山湾においてのみ大量の白えびを水揚げすることが可能なのでしょうか?
その秘密は海底の地形にありました。
富山湾は太平洋側の駿河湾・相模湾とならんで日本三大深湾の1つに数えられ、浅いところが少なく、岸近くから急に深くなっていることが大きな特徴です。また、海底は深い谷(海底谷)が刻まれた複雑な地形をしており、水産資源が豊富に存在しています。
海底谷が迫った岸から急に深くなる場所では海の青さが一段と濃く、深い藍色をしていることから「藍瓶(あいがめ)」と呼ばれており、水深100~600mの深海を生息地とする白えびにとって格好の住処となっています。
また、白えびの生息数がその他のえびと比べると少ないということをご存じですか?
その理由の一つに、白えびの寿命の短さが挙げられます。
例えば甘えびと比べると、甘えびの寿命が約10年であるのに対し、白えびの寿命は約2~3年と圧倒的に短く、甘えびが生涯に3回産卵し、一度に産卵する卵の数は2000個〜3000個であるのに対して、白えびの産卵は生涯に2回で、卵の数も甘えびよりもはるかに少ない300個程度です。
限られた資源を守り、将来的にも持続可能な白えび漁を続けていくため、漁獲期は4月~11月(最盛期は7月〜8月)に限定されています。
神秘的な輝きが魅力の白えび
富山県の特産品である白えびは、平成8年(1996年)に「寒ブリ」「ホタルイカ」と並んで「富山のさかな」として選定されました。
成体でも体長は約5〜8センチと小ぶりで、水揚げ直後は水晶のように透明感のある淡いピンク色をしていることから「富山湾の宝石」とも称されています。
また、白えびが「富山のさかな」に選定された同年には「富山湾の宝石」の名前で商標登録がされ、名実ともに富山県を代表する特産物となっています。
漁船の甲板で太陽光を反射しキラキラと輝く様子から宝石とも称される白えびですが、その美しさを拝めるのはごくわずかの時間だけに限られます。
水揚げ直後には透明だった姿は次第に乳白色に変わりはじめ、時間が経つにつれ「白えび」の名の通り白色に変わってしまいます。なんという儚さ……
現在では白えび漁を間近で見学できる観光船も運行していますので、白えび漁に同行して水揚げ直後の新鮮で透明な白えびを見ることも可能です。
白えび 不遇の時代から成功への軌跡
「希少さ」「色の美しさ」「味が絶品」など、今でこそ富山県の特産品として全国的に知られるようになった白えびですが、日の目を見るまでには紆余曲折の歴史がありました───。
白えびはとても繊細。
そのため他のえびのようなハードさはなく、とろけるような食感、上品な甘みを楽しめるのが魅力の一つです。
ただし、繊細であるがゆえに弱点もありました。
成体でも体長は約5〜8センチと身が小さい白えびは、痛みやすく鮮度が落ちるのがとても早かったため、現在の漁法が確立された明治30年頃は水揚げされてすぐに天日干し・煮干しにされていました。
また、昭和に入ってからは、桜海老の代用品として食紅で染められ紅えびとして出荷されていました。
せっかくの美しい色合いを染めてしまうなんて、今から考えるともったいないことですね。
このように白えびは新鮮さを長く保つことが難しく保存方法も限られていたため、富山県周辺でしか入手できず広く全国に流通することはありませんでした。
美味しさが全国に知れ渡った「白えびのむき身」
長年にわたり保存や加工の方法が悩みの種だった白えびですが、21世紀初頭にその運命を変える重大な出来事が起こります。
それが冷蔵・冷凍技術の発達です。
これにより漁師や水産業者は、水揚げ直後の白えびをすぐに冷蔵保存して、昔よりもはるかに鮮度を保った状態で港まで運ぶことができるようになりました。
さらに白えびは一旦冷凍すると殻がむきやすくなることも判明。
最新の冷凍技術を導入した水産加工業者によって、鮮度を保ったまま保存される「むき身」にすることが容易になり、白えびは一気に市場に普及。「富山県の特産品」として広く一般に知られるようになりました。
しかしその陰には関係者の並々ならぬ努力があり、大きく分けて以下の3つの点を実現したことが成功への大きな鍵となりました。
1つ目は白えびを手軽に料理に取り入れることを可能にし、美味しさを広く周知させたこと。
冷蔵・冷凍技術が発達によって白えびのむき身が流通したことで、白えび料理を富山県以外の多くの地域でも食べることが可能になり、白えびが富山県の特産品であることや、白えびの魅力を知ってもらう機会が増えていきました。
白えびのむき身によって手軽に料理に取り入れることが可能になったことは、白えびの美味しさや富山の特産物というブランド性を広めるのに一役買っているといえるでしょう。
2つ目は鮮度を保つことを可能にし、白えび本来の美味しさの再評価につなげたこと。
新鮮な白えびのむき身が広く一般に流通したことによって、白えび本来の美味しさであるとろりとした食感と上品な甘さを多くの人々が楽しめるようになりました。
なお、冷蔵・冷凍技術の発達は新鮮さを維持することを可能したことはもちろん、色の持続にも成功しました。
白えびは水揚げ直後の透明から白になったあと、そのまま放置しておくとだんだん黒っぽくなってしまいます。死ぬと白く変色する白えびの性質上、水揚げ直後の透明な姿を保つことは不可能ですが、黒く変色することを防ぐことができたのは冷蔵・冷凍技術の発達によるところが大きかったといえます。
3つ目は、 一年中白えび料理を楽しめるようになったこと、むき身によってさまざまな料理が開発され、白えびの新たな美味しさが発見されていったこと。
白えびの漁期は4~11月と決められていますが、むき身にすることで長期保存が可能となり、一年を通して白えび料理を味わうことができるようになりました。
季節を問わず白えびを楽しむことができるようになったことで、飲食店だけでなく一般家庭においてもさまざまな白えび料理が作られるようになり、新たな魅力の発見にもつながりました。
白えびの人気料理といえば、不動の上位はやはり刺身やお寿司ですね。
また、富山県の郷土料理「白えびのかき揚げ」も人気があります。
白えびは他のえびとは異なり、熱しても赤くならないという特徴があるため、かき揚げにした場合にも白い姿のまま召し上がっていただけます。
ちなみに、白えびのかき揚げは富山県のご当地B級グルメ「白えびバーガー」のバンズに挟む具材にもなっています。
その他にも「白えびの天ぷら」、「白えび天丼」、「白えびの刺身」、「白えび寿司」、「白えびの昆布〆」、「白えびクリームコロッケ」、「白えびサンド」、「白えびチーズトースト」、「白えび餃子」、「白えびソフト」、「白えびのかまぼこ」など数多くのメニューや商品が存在しており、その数の多さにとても驚きました。
このように冷蔵・冷凍技術の発達とそれによって誕生した白えびのむき身によって、富山の特産品は全国的に知られる人気商品へと発展していきました。
富山県のお米の魅力 豊穣の歴史と特徴
実は富山県における耕地面積の水田比率はなんと95.3%!
これは1県における水田の割合で日本一を占めています。(2022年7月15日時点)
日本海に面する富山県は、三方を山々に囲まれそこから流れる数多くの河川が複合的に扇状地を形成。水田に適した広い平野部を作りあげています。
さらに北アルプスからの豊富なミネラルを含んだ雪解け水は暑い夏でも冷たい温度(15℃前後)を保ち、稲の生育に良い影響をもたらします。
立山連峰を源流とする清らかな水と、肥沃な大地、夏場の高温多湿な気候など、米づくりに適した富山で作られたお米は粘り・コシ・美味しさのバランスがとれた逸品です。
富山県の米を巡る歴史
古くから豊富な水資源を活かした米の生産が盛んで、今では全国的にも高い評価を受ける「富山米」。
農業の産出額に占める米の割合が7割を超えるなど(平成19年農林水産省「生産農業所得統計」)富山県における農業の基幹作物は「米」となっており、歴史的にも米との関わりが深い地域なのです。
その代表的な事例が大正時代に発生した「米騒動」。
富山県はその発祥の地と言われており、この事件を機に魚津はその名を全国に知らしめることになりました。
日本の近代史を語る上で大きな事件である米騒動ですが、事件が起こった現場に当時の建物が現存するケースは全国的にも非常に珍しく、こちらの旧十二銀行米倉はその歴史を伝える貴重な遺跡として一般公開されています。(ただし、内部見学は魚津市教育委員会に申込が必要)
白えびとお米を使った富山県の名物
富山湾特有の地形が生んだ県を代表する特産品「白えび」と、豊かな自然が育んだ「富山県産のお米」。白えびは甘みと旨味が絶妙でお米との相性も抜群です!
富山が誇るこれら2つの食材を組み合わせた富山県の名物料理やおみやげは数多くあります。
また、富山県といえば白えびとお米の他にも、富山弁でおかき・米菓・せんべい類を表す「柿山」も有名です。もちもちとした食感が特徴的な柿山は、味や風味が豊かで全国的にも高い評価を受けています。
白えびとお米の絶妙なハーモニー!おすすめメニュー5選
富山県を代表する美味、白えびとお米。これらを組み合わせた料理は、そのどちらの風味も引き立てながら、絶妙なハーモニーを奏でます。ここでは、その中でも富山県民である筆者の特におすすめメニューを5つご紹介します!
「白えび丼」海とお米の旨味を堪能!
いわずと知れた白えびのNo.1人気料理。
筆者の個人的な感想ですが、新鮮な生の白えびは本来の味わいを最も堪能できる料理だと思います。キラキラと光り輝く白米の上に、希少とされる生の白えびを贅沢に盛り付けた一品で、その味わいはまさに口の中でとろけるよう!
ぜひ富山県を訪れた際には、現地でしか食べられない ” きときと” な白えびに挑戦してみてください。 (※ 「きときと」は富山弁で「新鮮」という意味)
「白えび寿司」シンプルながら極上の味わい
白えび寿司には握り寿司と押し寿司の2種類があります。
2016年に「日本ギフト大賞」で大賞を受賞した「寿々屋」の白えび寿司は、押し寿司タイプ。駅弁としてよく知られている富山の郷土料理「ます寿司」のように笹に包まれ、曲げわっぱに入っています。むき身の白えびを酢飯の上に敷き詰め、白えび特有の甘味と旨味をしっかり閉じ込めた人気商品です。
サクサクとした食感と甘み「白えびのかき揚げ丼」
白えびのかき揚げは富山県の郷土料理で、主に富山市や射水市の家庭でよく食べられています。
一般的な具材は玉ねぎ、にんじん、白えびの3つ。衣は薄めのため、白えびの食感をしっかり味わうことができます。
かき揚げを引き立てるタレは品のある甘さが特徴で、温かいご飯との相性は抜群。
白えびは食べたいけど生ものがちょっと苦手という方にもおすすめです。
贅沢な白えびの食感と味わい「白えび天丼」
「白えび天丼」はその名の通り白えびの天ぷらをご飯に乗せたもので、揚げたてのサクサクとした衣の食感とともに、プリプリとしたえび本来の食感を同時に楽しむことができます。
かき揚げとの違いは、野菜が入っていないこと、白えびを1匹ごと揚げているところです。
白えびの旨味を活かすため味付けは最小限にとどめており、ご飯と一緒に食べることで至極の味わいを生み出します。
富山銘菓「白えびせんべい」
白えびせんべいは富山県の特産品「白えび」を使ったせんべいです。
富山県では数多くのお店が販売しており、筆者にとっては非常に馴染み深い商品です。
白えびとお米の良さが融合した白えびせんべいは富山銘菓といっても過言ではない!と自信を持って言える、そんな自慢の一品です。
富山県のお土産にぴったり!おすすめ白えびせんべい
白えびを使った米菓や白えびせんべいは富山県でもいくつかありますが、今回はその中でも富山県のおみやげとして人気商品であり、筆者イチオシの「ささら屋」看板商品の白えびせんべいを紹介します。
ささら屋の特徴は、材料は富山県産にこだわり米粉を使わない昔ながらの製法で作り続けているところです。
富山県産の材料を使った生地に白えびが加わったささら屋の白えびせんべいは、まさに富山づくしの一品!富山県の旨み・魅力がたっぷり詰まっています。
富山県産の素材ににこだわった「ささら屋」の白えびせんべい
大正13年(1924年)創業の「ささら屋」は、せんべい・おかき・あられ類を製造・販売している老舗の米菓専門店で、富山県では幅広い世代の人に長く愛されています。
ちなみに「ささら屋」という店名は、富山県の民謡である「こきりこ節」を踊るときに用いる、富山県五箇山の伝統楽器「ささら」が由来とされています。
富山のお米で引き立つ米菓の美味しさ
ささら屋の米菓には、富山のおいしい水と100%の富山米が使われています。
富山県のブランド米の1つに、猛暑でも美味しさが変わらないという「てんたかく」があります。コシヒカリよりも大粒で、粘りすぎないさっぱりとした口当たりが特徴で、せんべい生地に適した品種です。
ささら屋ではせんべいの生地を作る際にこのてんたかくを100%使用します。
また、おかき・あられの生地に使うもち米には、「もち米の王様」とも言われる「大正もち」を品種改良した富山県産の「新大正もち」を使用しています。
また、製造過程で使われる水も富山の美味しい地下水を使うほど100%富山県産にこだわり抜いているため、ささら屋の白えびせんべいは白えびとお米の美味しさが格別です。
ささら屋の白えびせんべいの中でも、筆者が特にオススメしたいのが富山で長く愛されている「しろえび紀行」と、おみやげ・贈り物にぴったりな「しろえび撰」の2つです。
ささら屋の白えびせんべい① 富山で長年愛される王道の味「しろえび紀行」
「しろえび紀行」はささら屋のNo.1人気商品で、味付けには「しろえびパウダー」を使用しています。
「しろえびせんべい」という名称で長年親しまれてきたこちらの商品ですが、2022年10月より「しろえび紀行」に名称・パッケージデザインがリニューアルされました。
えび味のお菓子や市販のえびせんべいの中には、人工的に付けられたえびの香りが強烈なものや、風味に生臭さが混じっているものもありますが、こちらの「しろえび紀行」は、えびの香りが食べるごとにふんわりと感じられ、「しろえび」特有の上品な風味が味わえます。
せんべい生地はもちろん、富山県産の材料を100%使用。
白えびと合うよう薄く軽く焼き上げられたせんべいは、心地よいパリッとした食感がしろえびの良さをより一層引き立てており、子どもから年配の方まで幅広い世代の富山県民にこよなく愛されるロングセラー商品です。
ささら屋の白えびせんべい② 高級感溢れるプレミアムな「しろえび撰-せん-」
箔押しされた和紙素材のパッケージが目を引く「しろえび撰」は、ワンランク上のプレミアム感をコンセプトに誕生した商品です。
「しろえび撰」の製作にあたり、通常の白えびせんべい「しろえび紀行」と比べてより一層パリッとした食感を追求するため、基本的な生地作りから見直されました。
その結果、生地はさらに薄くなり白えびの配合量は従来の2倍以上に増えました。
白えびの配合量が増えたことで、薄い生地でも白えびの風味を十分に感じられるプレミアムな商品が出来上がり、「しろえび撰」は2019年に行われた第60回全国推進観光土産品審査会において、最高賞である「厚生労働大臣賞」を菓子部門で受賞しました。
今では富山県のお土産の定番人気商品となっています。
最後に ~素晴らしき美食の宝庫「富山」!~
今や富山県の特産品となった「白えび」や「富山県産のお米」、そしてそれぞれの魅力を余すことなく掛け合わせた「白えびせんべい」。
地域の風土と人々の努力が生んだ美食の宝庫富山ですが、当たり前のように口にしていたこれらの特産品が今のように広く知られ、愛されるまでには多くの人々の長年の苦労があったことを今回初めて知り、筆者の郷土愛はより一層深まりました。
この記事を通して私の愛する富山の魅力や文化が一人でも多くの人に伝わり、興味を持っていただけたら嬉しいです。富山の美食をぜひお楽しみください。
大正時代、近代化とともに貧富の格差が拡大したことや都市部の人口増加による米不足が深刻化し、大商人による米価の吊りあげが起こっていました。
その頃北海道へと米を運ぶ輸送船が魚津町に寄港した時、米価高騰に苦しんでいた魚津の漁師の主婦たち数十人が米の積み出しを行っていた大町海岸の旧十二銀行(現北陸銀行)の米倉庫前に集まり、積み出しの中止と住民に販売するよう求めました。
この事件は全国の新聞に「越中女一揆」として報道され、米騒動は近隣の村や町、1道3府40県に及ぶ全国的な騒動へと拡大。
その後内閣を総辞職に追い込む事態にまで発展しました。