歴史と自然が織りなす徳丹城の魅力

国指定史跡徳丹城跡は、平安時代初期の弘仁3年(812年)に、征夷将軍・文室綿麻呂によって造営されました。もともと志波城(現在の盛岡市)にあった城が、水害の影響で移転され、徳丹城として新たに築かれたものです。

徳丹城は、約350メートル四方の規模を持ち、周囲は材木列で囲まれ、70メートルから80メートルの間隔で櫓が建てられていました。内部には官衙建物群があり、志波城の政治機能を引き継いだと考えられています。また、徳丹城跡内の発掘調査では、国内初となる木製の兜が発見されるなど、多くの歴史的遺物が出土しています。

現在、徳丹城跡は史跡公園として整備されており、訪れる人々は当時の歴史を感じながら散策することができます。特に春には「徳丹城まつり」が開催され、美しい桜とともに歴史を楽しむことができます。また、隣接する矢巾町歴史民俗資料館では、徳丹城から出土した土器や木製品などが展示されており、城の歴史をより深く学ぶことができます。