戦国の息吹を感じる天守閣からの眺め

郡上八幡城は、戦国時代末期の永禄2年(1559年)に遠藤盛数によって築かれた砦がその始まりで、現在の城郭は昭和8年に再建されました。天守閣からは城下町や奥美濃の山並みを一望でき、特に秋の紅葉シーズンには絶景が広がります。

城内には、戦国時代の面影を感じさせる「野面積み」の石垣が残り、自然石をほとんど加工せずに積み上げたその姿は見所の一つです。また、郡上八幡城は初代土佐藩主・山内一豊の妻である千代のゆかりの地としても知られています。城内には「千代の知恵 賢妻の心得10箇条」が展示されており、訪れる人々に歴史の一端を伝えています。

さらに、郡上八幡城には「およしの物語」という人柱伝説が伝わっています。城の改修の際に人柱となった美しい娘・およしの霊を祀る観音堂が天守閣前にあり、毎年8月3日には「およし祭」が行われます。また、力石伝説や明治維新の際に結成された「凌霜隊」の碑など、歴史的な見所も多くあります。

なお、郡上八幡城の天守から眺める城下町は、魚の形をしていると言われています。左手側が魚の頭、右手側が尾びれの形に広がり、水の町・郡上八幡ならではの景色を楽しむことができます。訪れる際には、ぜひこの大きな魚を探してみてください。