歴史と信仰が交差する神仏習合の象徴

長滝白山神社・白山長瀧寺は、白山信仰の中心地として知られています。この神社と寺院は、養老年間に泰澄大師によって創建され、以来、白山信仰の拠点として多くの参拝者を迎えてきました。特に天長5年(828年)に天台宗を継いでからは、一万三千石の寺領を持つほど栄えたと伝えられています。

境内には、鎌倉時代の作とされる石灯籠や、国の重要文化財に指定されている「正和の壺」など、多くの文化財が点在しています。また、白山瀧宝殿では、白山信仰にまつわる神像や仏像が展示されており、訪れる人々に歴史と信仰の深さを感じさせます。

毎年1月6日に行われる「六日祭」では、国指定重要無形民俗文化財の「長滝の延年」が奉納され、勇壮な花奪いが行われることから「花奪い祭り」とも呼ばれています。この祭りは、古式ゆかしい舞とともに、参拝者が天井の花笠を取り合うことで知られ、地域の伝統行事として多くの人々に親しまれています。

さらに、長滝白山神社と白山長瀧寺は、神仏習合の象徴としても注目されています。明治時代の神仏分離令により一時的に分かれましたが、現在も境内を共有し、参道も同じで、修験者たちが護摩炊きを行った祭壇跡や、神仏が同居する姿を今なお見ることができます。