芭蕉も愛した風景、水の都・大垣の歴史を感じる

船町港跡と住吉燈台は、歴史と風情が交錯する観光スポットです。かつて大垣は「水の都」として知られ、揖斐川や水門川などの河川を利用した舟運が盛んでした。特に船町港は、大垣と桑名を結ぶ重要な交易ルートとして栄え、明治時代には年間約1万隻もの船が行き交う賑やかな港でした。

船町港跡に立つ住吉燈台は、元禄年間(1688年〜1704年)に建造され、明治20年に再建された高さ8メートルの灯台です。寄棟造りの上部には油紙障子が填め込まれており、当時の風情を今に伝えています。この灯台は、かつての舟運の要所としての役割を果たし、現在もその姿を保ち続けています。

また、船町港跡は松尾芭蕉が『奥の細道』の旅を終えた地としても知られています。芭蕉はこの地から舟で長島の大智院へ向かい、その旅の終着点として大垣を選びました。この歴史的背景から、船町港跡と住吉燈台は平成26年に国の名勝「おくのほそ道の風景地 大垣船町川湊」に指定されました。

水門川沿いには「四季の路」が続き、四季折々の風景を楽しむことができます。春には桜が咲き誇り、夏には緑豊かな景色が広がります。秋には紅葉が美しく、冬には静寂な風景が訪れる人々を魅了します。歴史と自然が調和するこの場所は、訪れる人々に癒しと感動を与えることでしょう。