天橋立を望む美人観音の寺

成相寺は、西国三十三所巡礼の第28番札所として知られる歴史ある寺院です。704年に創建されたこの寺は、日本三景の一つである天橋立を一望できる絶景スポットとしても人気があります。

本尊は聖観世音菩薩で、美人観音としても知られています。参拝者はこの観音様にお参りすることで、身も心も美しくなると伝えられています。また、成相寺は「身代わり観音」の伝説でも有名です。ある僧が雪深い山中で修行中に食糧が尽き、観音様に祈ったところ、観音様が身代わりとなって僧を救ったという話が伝わっています。

成相寺の境内には、四季折々の美しい花々が咲き誇ります。春には桜やシャクナゲが、秋には紅葉が見事で、多くの観光客が訪れます。特に紅葉の時期にはライトアップも行われ、幻想的な風景が広がります。また、成相山の山頂にはパノラマ展望台があり、360度の絶景を楽しむことができます。展望台には「美人茶寮」という喫茶店もあり、ゆったりとした時間を過ごすことができます。

また、境内には「撞かずの鐘」という伝説の鐘があり、その音色には悲しい物語が秘められています。この鐘を造る際、銅が溶けた坩堝の中に赤ん坊が落ちて亡くなりました。出来上がった鐘を撞くと、その音が子供の泣き声や母親を呼ぶ声に聞こえることから、鐘を撞くことをやめたため「撞かずの鐘」と呼ばれるようになったといいます。