日本三文殊の一つとして知られる寺院で学業成就を祈願

智恩寺は、臨済宗妙心寺派の寺院で、天橋山(てんきょうざん)という山号を持ちます。この寺院は「切戸の文殊」や「九世戸の文殊」とも呼ばれ、奈良県桜井市の安倍文殊院、山形県高畠町の大聖寺と並び、日本三文殊の一つとして知られています。智恩寺の本尊である文殊菩薩は、知恵を象徴する仏様として信仰されており、「三人寄れば文殊の知恵」という言葉の由来ともなっています。

智恩寺の境内には、学業成就や入試祈願を願う多くの参拝者が訪れ、絵馬がびっしりと並んでいます。また、足利時代に建てられた多宝塔や、重要文化財に指定されている金鼓、歌人和泉式部の歌塚など、歴史的価値の高い文化財も数多く所蔵されています。特に多宝塔は、その美しい建築様式と歴史的背景から、多くの観光客に人気です。

また、境内には「すえひろ扇子おみくじ」があり、扇子を広げると吉凶が分かるユニークなおみくじが楽しめます。この扇子は、松の木に結び付けられ、境内に独特の景観を生み出しています。

さらに、智恩寺には「力石」と呼ばれる重さ130kgの石があり、かつては祭りや集会の余興として青年たちが力自慢を競ったものです。現在では、この石に触れることで力と智恵が授かると伝えられており、訪れる人々に人気のスポットとなっています。