伝統の息吹を感じる歴史的風致あふれる街道

ちりめん街道は、江戸時代から昭和初期にかけて栄えた丹後ちりめんの歴史を色濃く残す地域です。この地域は、平成17年に重要伝統的建造物群保存地区に指定され、織物産業によって近代化された建築物が今も静かに佇んでいます。

街道は、旧加悦町役場庁舎から西山工場までの南北700mにわたり、16世紀後期の安良城築城に始まる歴史を持ち、敵兵の侵入を防ぐために作られたとされるクランクが特徴的です。途中4ヶ所で鉤の手に折れ曲がるこの街道は、かつて縮緬流通の拠点として栄えました。神社仏閣をはじめ、織物工場、商家、医院、旅館、役場庁舎などの構成建築物が立ち並び、日本遺産「丹後ちりめん回廊」の構成文化財の一つとなっています。

訪れる人々は、江戸から昭和初期に建てられた住宅や土蔵、縮緬工場、職工宿などが一体となって現存する歴史的風致を感じることができます。また、街道の入口にある旧加悦町役場庁舎内には観光案内所もあり、尾藤家などの商家や西山工場、井筒旅館などの観光スポットが案内されています。

この地域は、丹後ちりめんと共に生きた町として、その歴史と文化を今に伝える「屋根のない建築博物館」とも称されています。訪れた際には、その風情ある町並みをゆっくりと散策し、時代を超えた美しさを堪能してください。