世界に誇る丹後ちりめんの魅力を体感しよう

旧加悦町役場庁舎は、昭和初期の建築美と歴史的価値を今に伝える貴重な文化財です。昭和4年に完成したこの建物は、丹後大震災後の復興のシンボルとして、また近代化の証として建てられました。洋風の意匠が特徴的で、耐震性に優れた鉄網コンクリート壁や、上下階を連続する壁で構成されています。建築面積は256.8㎡に及び、木造総2階建てのこの建物は、その当時の丹後ちりめんによる繁栄を色濃く残しており京都府有形文化財にも指定されています。

1階には町長室や応接室が保存され、訪れる人々に昭和初期の雰囲気を感じさせます。また、2階には旧議場があり、現在は研修室として利用されているほか、イベントやセミナーの会場としても活用されています。

さらに、「THE SILK」と呼ばれる高品質なシルク産品の展示・販売の場にもなっており、世界に誇る丹後ちりめんの魅力を伝えています。丹後ちりめんは高級絹織物としてパリコレやハリウッド映画で採用されるなど、その品質の高さは国際的にも認められています。

庁舎内の与謝野町観光協会では、シルクの手作り体験も楽しむことができ、シルク100%のミサンガ作りや、経糸と緯糸を織り合わせてコースターを作る体験など、本格的な手織りを体験することが可能です。これらの体験を通じて、丹後の地場産業とその技術をより深く理解することができるでしょう。

旧加悦町役場庁舎は、重要伝統的建造物群保存地区「ちりめん街道」の北側入り口に位置しており、ちりめん街道を訪れる際の起点として、また地域の文化や歴史を学ぶ拠点として多くの人々に愛されています。