鎌倉時代の石燈籠と藤の花が迎える静寂の神社

三大神社は、JR草津駅から北へ約3.5kmの田園風景が広がる吉田集落の中心に佇んでおり、志那津彦命(しなつひこのみこと)と志那津姫命(しなつひめのみこと)を祭神としています。

三大神社の最大の見どころは、毎年4月下旬から5月上旬にかけて咲く「砂擦りの藤」と呼ばれる見事な藤の花です。この藤は、花房が地面に擦れるほど長く伸びることからその名が付けられました。開花時期には、近畿一円から多くの見学者が訪れ、境内は美しい紫色の花で彩られます。また、藤の花が開花する期間中は、協力金として200円が必要です。

さらに、三大神社の本殿の傍らには、鎌倉時代に作られた高さ2mの六角柱の石燈籠があり、国指定の重要文化財となっています。この石燈籠は、鎌倉時代の石造美術を代表するもので、正応四年の刻銘が刻まれています。

三大神社は、静けさに包まれた古社でありながら、歴史と自然の美しさを感じることができる場所です。訪れる人々は、藤の花の美しさや歴史的な石燈籠を楽しみながら、心安らぐひとときを過ごすことができます。また、近隣には同じく境内の藤の花で有名な志那神社や惣社神社もあり、これらの神社と合わせて「志那三郷の藤」と呼ばれています。