聖徳太子ゆかりの古刹で出会う重要文化財の仏像群

石馬寺は、臨済宗妙心寺派に属する寺院で、静かな木立の中に佇む古刹です。山号は御都繖山(ぎょとさんざん)で、本尊は十一面千手観世音菩薩です。

石馬寺の歴史は約1400年前に遡ります。寺伝によれば、聖徳太子が当地を訪れた際、山麓の松の木に馬をつなぎ、霊地を探して山上に登りました。戻ってくると、その馬は石になって池に沈んでいたと伝えられています。この霊異を感じた聖徳太子が石馬寺を開基したとされています。現在でも、聖徳太子直筆の「石馬寺」の三文字の木額と乗馬像は重要な寺宝として所蔵されており、石になったと伝えられる馬は坂の下の蓮池に背中を見せています。

石馬寺の見どころは多岐にわたります。収蔵庫には十一体の国指定重要文化財の仏像が安置されており、特に平安時代に作られた木造十一面観音菩薩立像や木造四天王立像、木造大威徳明王牛上像などが見られます。また、書院の庭は「石馬の庭」として知られ、四季折々の風情を楽しむことができます。春には桜、夏には新緑、秋には紅葉、冬には雪景色と、訪れるたびに異なる美しさを堪能できます。