江戸から明治の商いの息吹を感じる歴史的建造物

旧金子家住宅は、江戸時代後期から明治初期にかけての歴史を感じさせる貴重な建物です。この住宅は、江戸時代後期に質屋・古着商を営んでいた金子家の旧邸宅であり、明治初期には呉服や太物(綿織物、麻織物)の卸商を創業しました。昭和57年(1982年)まで商売が営まれていたこの建物は、平成8年(1996年)に秋田市へ寄贈され、平成9年(1997年)には秋田市の有形文化財に指定されました。

旧金子家住宅は、主屋と土蔵から成り立っており、江戸時代後期の町家の建築様式を色濃く残しています。特に、幕末に建てられた土蔵(内蔵)は、火事に備えて屋根の上に置かれた天水甕(てんすいがめ)など、当時の防火対策を垣間見ることができます。また、内部には昭和初期の店先の様子が再現されており、訪れる人々に当時の商売の雰囲気を伝えています。

旧金子家住宅は秋田市民俗芸能伝承館に隣接しており、見学者は両施設を一度に楽しむことができます。観覧料は、民俗芸能伝承館に入館された方は無料で観覧できるため、両施設を合わせて訪れるのがおすすめです。