臥牛山の頂で感じる戦国時代の息吹

村上城跡は、標高135メートルの臥牛山(がぎゅうさん)の頂上に築かれた城で、戦国時代から江戸時代にかけて多くの歴史的出来事の舞台となりました。

村上城の築城年代は明確ではありませんが、16世紀前期には既に存在していたと考えられています。戦国時代には本庄氏の本拠地として、永禄11年(1568年)には上杉謙信との篭城戦が繰り広げられました。その後、江戸時代に入ると村上氏、堀氏、松平氏らの城主によって城の改造と城下町の建設が行われ、村上城は北越後の中心拠点として整備されました。享保5年(1720年)以降は内藤氏が代々城主を務め、明治維新を迎えました。

現在、天守櫓や門などの城郭建造物は存在しませんが、城跡一帯には戦国時代に築かれた竪堀(たてぼり)や虎口(こぐち)などの遺構と、江戸時代に築かれた石垣の遺構が混在して残っています。これらの遺構はその姿が貴重であるとして、平成5年に村上城跡は国史跡に指定されました。また、平成12年からは破損が見られる臥牛山上の石垣を積み直す修理工事が開始され、現在も継続して工事が行われています。

村上城跡は、歴史的な価値だけでなく、その自然環境も魅力の一つです。山麓から山頂までは徒歩約20分で、小鳥のさえずりと豊かな緑に包まれた道を進むと、頂上からは村上市街を一望することができます。春には桜が咲き誇り、訪れる人々を楽しませます。