歴史と自然が融合した奥能登の守護神

須須神社は、日本海側一帯の守護神として古くから信仰されてきた由緒ある神社です。第10代崇神天皇の時代に創建され、祭神は高倉彦神(たかくらひこのかみ)と美穂須須美命(みほすすみのみこと)です。須須神社は、能登半島の最北端に位置し、奥能登の「守護神」として知られています。

須須神社の見どころの一つは、山伏山山頂に鎮座する奥宮です。この山はその優美な形から古くから崇拝され、海上航行の目標としても尊ばれてきました。神社の社叢は国指定の天然記念物であり、スダジイを中心とした照葉樹林が広がっています。この照葉樹林は、温帯から冷温帯の植物が混在する独特の生態系を持ち、自然愛好家にとっても魅力的なスポットです。

須須神社の宝物殿には、国指定重要文化財の木造男神像や、源義経が奉納したとされる「蝉折の笛」、弁慶の守刀などが収蔵されています。これらの宝物は、歴史的価値が高く、訪れる人々に深い感銘を与えます。特に「蝉折の笛」は、義経が海難を救われたお礼として奉納したもので、その逸話は多くの人々に語り継がれています。

毎年3月15日には、伝統行事の的打神事が行われます。この神事は流鏑馬から派生したもので、悪神を矢で退治し一年の平安を祈るものです。参拝者が的に命中させると幸運になると伝えられており、多くの参拝者が訪れます。