歴史と自然が織りなす霊峰

石動山は、古くから山岳信仰の地として知られ、多くの僧侶が修行を行った霊山です。標高565メートルのこの山は、自然と歴史が融合した魅力的な観光スポットです。

石動山の歴史は古く、平安時代にはすでに伊須流岐比古(いするぎひこ)神社が祀られていました。鎌倉時代には寺院が建立され、神仏習合の独自の文化が形成されました。最盛期には約360の坊があり、3000人の僧侶が修行に励んでいたとされています。

山頂には、伊須流岐比古神社と天平寺跡があり、これらの史跡は国指定史跡として保存されています。特に、こけむした礎や石垣は往時の姿をしのばせ、訪れる人々に歴史の重みを感じさせます。また、唯一現存する院坊である「旧観坊」は、江戸時代後期の建築で、その風情から当時の僧侶の暮らしぶりを想像することができます。

石動山は自然散策のコースも充実しており、トレッキングや野草観察が楽しめます。特に、能登最大の天然ブナ林が広がる「みどりのダム」と呼ばれるエリアは、四季折々の美しい風景を楽しむことができます。秋には紅葉が山全体を彩り、訪れる人々を魅了します。