能登の古代ロマンを感じる古墳群

雨の宮古墳群は、眉丈山(標高188メートル)の山頂を中心に、4世紀中頃から5世紀初めにかけて造られた36基の古墳から成り立っています。

最も注目すべきは、通称「雷ヶ峰」に位置する1号墳です。この前方後方墳は、墳丘の長さが64メートルと県内最大規模を誇り、2段に築かれた墳丘は斜面が葺石(ふきいし)で覆われています。また、1号墳の北東に位置する2号墳は、墳丘の長さが約65メートルの前方後円墳で、1号墳と同じ構造を持っています。これらの古墳に埋葬されている人物は、古墳の規模や副葬品の内容から、能登全体に支配権を持つ権力者であったと推測されています。

雨の宮古墳群は、1982年に国の史跡に指定されました。その後、中能登町ではこの古墳群を永く保存し活用するため、1992年から5年間にわたり発掘調査を実施し、1994年からは文化庁の「史跡等活用特別事業」により、古墳が造られた当時の姿に復原されました。