古代のロマンを感じる北陸最大級の古墳群

能美古墳群は、北陸地方を代表する歴史的な遺跡群です。この古墳群は、能美市の平野部に点在する5つの独立丘陵に築かれたもので、それぞれ寺井山古墳群、和田山古墳群、末寺山古墳群、秋常山古墳群、西山古墳群と呼ばれています。これまでに62基の古墳が発見されており、その多くが古墳時代の3世紀から6世紀にかけて築造されました。

能美古墳群の中でも特に注目すべきは、北陸最大級の前方後円墳である秋常山1号墳です。この古墳は全長約140メートルを誇り、4世紀後半に築造されたとされています。また、秋常山古墳群には方墳の2号墳も含まれており、こちらは5世紀半ばに築造されました。2号墳では埋葬施設が整備されており、当時の埋葬状況を見学することができます。

能美古墳群からは、六鈴鏡、鈴付銅釧、甲冑、馬具などの貴重な副葬品が数多く出土しています。これらの副葬品は、当時の人々の生活や文化を知る手がかりとなるものであり、歴史ファンや考古学愛好者にとって非常に興味深いものです。

能美古墳群は、国の史跡に指定されており、その保存と整備が進められています。特に西山古墳群以外の古墳群は保全整備が行われており、訪れる人々が古代のロマンを感じながら散策できるようになっています。
また、和田山古墳群のふもとに令和2年10月17日に開館した能美ふるさとミュージアムでは、能美古墳群から出土した貴重な遺物が展示されており、古墳時代の歴史や文化を学ぶことができます。