神秘的な雰囲気と豊かな自然が織りなす美しい景観

蟹淵は、周囲約200メートルの青緑色の水をたたえた池で、山々に囲まれた静寂の中に佇んでいます。その美しさはまるで別世界に迷い込んだかのような感覚を訪れる人々に与えます。

蟹淵は「化けガニ伝説」が残る場所としても有名です。この伝説によれば、かつて巨大な白い蟹がこの淵の主として住んでいたと言われています。この神秘的な伝説が、蟹淵の魅力を一層引き立てています。

また、蟹淵は多様な動植物の宝庫でもあります。通常は標高1000メートル以上の高地に生息するルリイトトンボや、木々の上で卵を産むモリアオガエルなどが生息しており、能美市の天然記念物に指定されています。特に6月の降雨期には、モリアオガエルの白い卵塊が木々を飾り、まるで白い花が咲いたかのような美しい光景が広がります。夏には、県の絶滅危惧種に指定されているルリイトトンボが乱舞し、オオルリボシヤンマの羽化も見られます。

蟹淵の周囲は四季折々の自然の変化を楽しむことができる場所です。春には新緑が芽吹き、夏には青々とした木々が生い茂り、秋には紅葉が美しく色づきます。冬には雪景色が広がり、一年を通じて異なる表情を見せてくれます。また、水面には午後2時ごろに花開くと言われるヒツジグサやカンガレイなどの希少植物も息づいており、自然愛好家にとっては見逃せないスポットです。

※大雨による災害の影響により、2024年1月現在、蟹淵への道は通行止めとなっています。最新の情報を確認してから訪れるようにしてください。