お寺の中に神社の社殿がある全国でも珍しい寺院

成田山青龍寺は、明治時代に千葉県成田市の大本山成田山新勝寺から不動明王を勧請し「因幡の成田山」として知られるようになりました。もともとは710年に行基によって開かれた花喜山浄光寺というお寺で、八頭町中山の山頂付近にありました。現在の青龍寺はその歴史を引き継ぎながらも独自の魅力を持っています。

青龍寺の宝物殿には、開山当時の三体の仏像が納められており、年に三回(1月1日~3日、2月3日、10月8日)公開されます。また、毎年2月3日に行われる節分会では、護摩法要や福豆まき、三角くじ引きなどが行われ、多くの参拝者が集まります。特に福豆まきは昼間と夜間の二度行われ、暗闇の中での豆まきは特別な楽しさがあり大人気です。

青龍寺は、真言宗のお寺でありながら神社の要素も取り入れている点が特徴的で、本堂内には八頭町福本の白兎神社の社殿が移築されています。この社殿には「波うさぎ」と呼ばれる波とうさぎの精巧な彫刻が施されており、まるでうさぎが今にも飛び出してきそうな躍動感があります。このうさぎは、かつて浄光寺(青龍寺の前身)のあった中山に天照大神が降臨し、その案内役を務めたとされる伝説のうさぎです。