後鳥羽天皇の御霊を祀る神社

隠岐神社は、昭和14年(1939年)に後鳥羽天皇の700年祭を記念して創建されました。第82代天皇であった後鳥羽上皇は文武両道で歌人としても名高い優れた人物でしたが、承久3年(1221年)で鎌倉幕府に敗れ、現在の海士町に島流しにされ、この地で没しました。その御霊を祀るために建立されたこの神社は、隠岐の歴史と文化を象徴する重要な場所となっています。

隠岐神社の建築様式は「隠岐造り」と呼ばれ、重厚で厳かな雰囲気を醸し出しています。本殿、祝詞舎、拝殿、神饌所、祭器庫、宝物館、神門回廊、社務所などが広がる境内は、約5万6,000平方メートルの広さを誇ります。特に春には、隠岐一と称される美しい桜並木が訪れる人々を魅了します。

毎年4月14日と10月14日に行われる例祭では、後鳥羽天皇の御製「我こそは新島守よ隠岐の海の荒き波風心して吹け」に楽と振りを付けた「承久楽(じょうきゅうがく)」が奉納されます。この楽曲は隠岐神社にのみ伝わるもので、歴史的な価値が高いとされています。

神社の前には「海士町後鳥羽院資料館」があり、後鳥羽天皇に関連する貴重な品々が展示されています。資料館では、後鳥羽天皇の生涯や隠岐での生活に関する資料を通じて、訪れる人々が歴史に触れることができます。また、隠岐神社の宝物も展示されており、神社の歴史と文化を深く理解することができます。 周辺には、後鳥羽天皇が住まいとしていたお寺の跡地や、和歌に詠まれた「勝田池」など、歴史的なスポットが点在しています。