平安の歌人の足跡をたどり絶景の頂へ

金光寺山は、隠岐諸島の中ノ島にある標高164メートルの山です。この山は、平安時代の歌人であり遣唐使でもあった小野篁(おののたかむら)にゆかりのある場所として知られています。山頂からは、島前カルデラの絶景を一望でき、訪れる人々に感動を与えます。

金光寺山の魅力の一つは、その豊かな自然環境です。春には山桜が咲き誇り、隠れたお花見スポットとしても人気があります。山頂までのドライブウェイは、車でのアクセスが可能で、途中には体験・研修施設もあります。急斜面が続くため、自転車での挑戦も楽しめます。

山頂には、小野篁が滞在したとされる金光寺とその史跡があります。彼は遣唐使として二度の渡航に失敗し、三度目の渡航を拒否したことでこの地に流されました。彼の詠んだ百人一首の一つ「わたの原 八十島かけて漕ぎ出でぬと 人にはつげよ 海人の釣舟」は、この時の心情を表現したものです。金光寺山は、彼の歴史と詩に触れることができる貴重な場所です。

また、山頂からの眺望は絶景で、西ノ島や島後の島影を見渡すことができます。特に夕暮れ時には、海と空が織りなす美しいグラデーションが広がり、訪れる人々を魅了します。展望台からの景色は、写真愛好家にも人気で、多くの人がカメラを手に訪れます。