古代出雲の歴史や文化を学びながら神話の世界に触れる

島根県立古代出雲歴史博物館は、出雲大社のすぐ東隣に位置する大型のミュージアムで、古代出雲の歴史や文化を深く学ぶことができる施設です。博物館の敷地内には、常設展示や特別展示、体験型のプログラムがあり、訪れる人々に古代出雲の魅力を伝えています。

博物館の目玉の一つは、出雲大社に関する展示です。出雲大社は日本神話において重要な役割を果たす神社であり、その歴史や文化を紹介する展示が充実しています。特に、出雲大社本殿の巨大な宇豆柱(うづばしら)は、鎌倉時代初期の造営とされ、直径約1.35mの杉の柱を3本束ねた形状で、当時の建築技術の高さを物語っています。

また、博物館では、加茂岩倉遺跡や荒神谷遺跡から出土した銅剣や銅鐸などの青銅器も展示されています。これらの遺物は、古代出雲の高度な金属加工技術を示すものであり、国宝に指定されています。特に、荒神谷遺跡から出土した358本の銅剣は圧巻で、その壮大さに驚かされます。

さらに、博物館内には神話シアターがあり、『古事記』や『日本書紀』、『出雲国風土記』などの歴史書物に記された出雲を舞台にした神話や伝承を迫力満点の映像と音響で紹介しています。

博物館の建物自体も見どころの一つです。鉄とガラスを用いたシンプルな外観は、出雲地方で古代より行われてきた「たたら製鉄」を象徴しており、古代と現代の融合を表現しています。館内の展望テラスからは出雲大社の神苑が望め、本殿の千木を見ることができます。

また、博物館の敷地内には、桂の木が植えられた並木道や、出雲国風土記の一説が書かれた『風土記の道』、泉のわき出るベンチ、はにわの森など、庭園に隠された様々な秘密を探す楽しみもあります。特に、桂の木は『その木の下で想う者同士が共に愛を誓えば結ばれる』と言われ、葉っぱは縁結びをイメージさせるハート形です。