200年以上の歴史を誇る子供たちが主役の伝統芸能

出町子供歌舞伎曳山会館は、200年以上の歴史を誇る「出町子供歌舞伎曳山」を紹介する資料館です。この祭りは、となみ野に春の訪れを告げる風物詩として親しまれており、江戸時代中期から続く伝統行事です。祭りでは、小学生の子供たちが曳山上の舞台で歌舞伎を演じ、その姿は地域の誇りとなっています。

会館内には、実際に使用される三基の曳山が展示されており、訪れる人々はその豪華絢爛な姿を間近で鑑賞することができます。曳山はそれぞれ異なる町内で保管されていたもので、白木や漆塗りなどの装飾が施され、各町の特色が反映された御殿造りとなっています。また、曳山にまつわるさまざまな資料や煌びやかな衣裳、小道具類も展示されており、出町の歴史や文化について学ぶことができます。

2階には、出町を含む全国6か所で行われている曳山子供歌舞伎に関する展示があり、富山県内各地の曳山や獅子舞、夜高などの祭り文化も紹介されています。

さらに、会館内には芝居小屋風のホールがあり、年間を通じて浄瑠璃や三味線などの文化芸能に触れる催しが行われています。

出町子供歌舞伎曳山会館は、地域の歴史や文化を深く理解するための貴重な場所であり、子供たちが祭りの主役となり地域社会に参加することで生まれる世代間の交流や地域社会への貢献の意味を学ぶ場でもあります。祭りの準備から本番までの過程を通じて子供たちは地域の一員としての自覚を持ち、出町の心を受け継いでいきます。