瓜が裂けるほど冷たいといわれた伝説の名水
瓜裂清水は、全国名水百選にも選ばれた名水の一つです。この清水は、約600年前に瑞泉寺の開祖である綽如上人がこの地を訪れた際に発見されました。伝説によれば、上人が連れていた馬の蹄が地面に沈み、その跡から清水が湧き出したとされています。この水は非常に冷たく、村人が献上した瓜が自然に裂けるほどだったため、「瓜裂清水」と名付けられました。
瓜裂清水の水温は年間を通じて約14℃と一定で、その冷たさと美味しさから多くの人々に愛されています。特に、料理やコーヒーの水として利用されることが多く、県外からもこの名水を求めて訪れる人々が絶えません。また、瓜裂清水の硬度は約38で、軟水としても知られています。
この清水は、庄川下流の扇状地に湧き出る伏流水であり、干ばつ時でも涸れることがないとされています。そのため、古くから地域の人々にとって貴重な水源として親しまれてきました。さらに、瓜裂清水の周辺には不動明王や地蔵尊の石仏が建立されており信仰の対象ともなっています。
瓜裂清水は、昭和60年(1985年)に環境庁の「全国名水百選」に指定され、翌年には「とやまの名水」にも選定されました。また、昭和62年(1987年)には砺波市指定名勝に指定され、その後平成18年(2004年)には砺波市指定史跡に種別変更されました。