学問の神様を祀る歴史と自然の宝庫

太宰府天満宮は、学問の神様として知られる菅原道真公を祀る神社です。全国約12,000社の天満宮の総本宮であり、九州最大級の規模を誇るこの神社には国内外から多くの参拝者が訪れ、特に受験生やその家族にとっては合格祈願の聖地として有名です。

太宰府天満宮の歴史は、平安時代に遡ります。菅原道真公は、学問と政治において卓越した才能を持ち、右大臣にまで昇進しましたが、政争に巻き込まれ、太宰府に左遷されました。道真公はその地で亡くなり、その後、彼を祀るために太宰府天満宮が建立されました。道真公の霊を慰めるために建てられたこの神社は、学問の神様として広く信仰を集めています。

太宰府天満宮には多くの見どころがあります。まず、朱塗りの美しい「楼門」は、表と裏で異なる表情を見せる珍しい門です。表面は二重門ですが、本殿側から見ると一重門となっており、撮影スポットとしても人気です。10月には「飛龍天神ねぶた」が楼門に掲げられ、ライトアップされるため、特に見応えがあります。

次に、「御本殿」は、道真公の墓所の上に立つ建物で、国の重要文化財に指定されています。現在の建物は1591年に再建されたもので、毎年6月には漆塗りが行われ、美しい姿を保っています。

境内には「御神牛」の像が点在しており、撫でると健康や学業成就のご利益があるとされています。特に入口の鳥居にある御神牛は大きく人気があります。

太宰府天満宮の境内は、四季折々の花々が咲き誇る自然の宝庫です。1月下旬から3月上旬にかけては梅が見頃を迎え、特に御神木「飛梅」は道真公を慕って都から飛んできたという伝説があり見逃せません。6月上旬から中旬には花菖蒲が咲き誇り、東神苑の菖蒲池では約55種類3万本の花菖蒲が楽しめます。

また、境内には樹齢1,500年以上の大樟(おおくす)をはじめ、天然記念物に指定されたクスノキが多数あります。これらの木々は「天神の森」として親しまれています。