古代の息吹を感じる国の特別史跡

太宰府政庁跡は、7世紀後半から奈良・平安時代にかけて九州全体を治める役所「大宰府」の中心地として機能していました。大宰府は、九州の「管内支配」、外国に対する「防衛機能」、帰化や外国使節に対応する「対外機能」という3つの役割を持ち、古代日本の西の守りとして重要な役割を果たしていました。万葉集でも「遠の朝廷(みかど)」と詠まれ、その規模と重要性を物語っています。

現在、太宰府政庁跡は国の特別史跡に指定されており、広大な敷地には当時の繁栄を偲ばせる礎石が並んでいます。これらの礎石は、かつての政庁の壮大さを感じさせるもので、訪れる人々に古代の日本の歴史を身近に感じさせます。敷地内には大宰府展示館があり、発掘された遺構や出土品、政庁の復元模型などが展示されています。展示館では、元号「令和」の由来となった「梅花の宴」の再現ジオラマも見ることができ、太宰府の歴史と文化を分かりやすく紹介しています。

春には敷地内や周辺に咲く約100本の桜が満開となり、花見とともに史跡散策を楽しむことができます。