四季折々の風景が楽しめる壮大な防衛遺跡

水城跡は、663年の白村江の戦いで敗北した後、唐と新羅からの攻撃に備えて築かれた防衛施設の遺跡で、国の特別史跡に指定されています。全長約1.2km、幅約80m、高さ約13mの巨大な土塁が今も残り、当時の壮大な防衛システムを感じることができます。

水城跡は、東アジア諸国に対する国防の要として、また大宰府の関所としての役割を果たしていました。664年に築かれたこの土塁は、福岡平野が狭まる地点に位置し、大野城や基肄城とともに防衛ラインを形成していました。外側には幅60m、深さ4mの堀が掘られ、水を蓄えていたことから「水城」と呼ばれています。

現在、水城跡は特別史跡として整備されており、訪れる人々はその壮大な土塁や門の礎石、木樋の取水口跡などを見学することができます。特に東門跡周辺には、福祉トイレや休憩・展示スペースを備えた「水城館」があり、館内では解説パネルや映像を通じて水城や大宰府の史跡について学ぶことができます。また、館の上部には展望台が設けられており、水城跡を一望することができます。

水城跡の周囲は、四季折々の自然が楽しめる散策コースとしても人気です。春には桜が咲き誇り、秋にはコスモスが美しく咲き乱れます。訪れるたびに異なる表情を見せる水城跡は、歴史と自然が融合した魅力的なスポットです。