江戸時代の彫刻美と神木の調和

春日神社は、歴史と自然が調和した美しい神社で、嘉祥3年(850年)に伊達家の祖である山蔭中納言藤原政朝卿によって、奈良の春日大社から勧請されたと伝えられています。小手26郷の惣社として古くから信仰されてきたこの神社は、江戸時代中期に完成・遷宮されました。

社殿は三間社の流れ造りで、入母屋に千鳥破風、唐破風を配した堂々たる建物です。拝殿内部は外陣と内陣に分かれており、内陣には中央に春日四所明神を祀る本殿、左右に相殿として天照皇太神と八幡武大神を祀る摂社の三神殿が配置されています。これらの建物は、享保18年(1733年)に江戸で作られ、当地に運ばれたものです。

春日神社の見どころの一つは、その美しい社叢です。境内にはスギ、イチョウ、カヤ、ケヤキ、ツバキなどの古木が多く、特に御供殿南側の2本のケヤキは目通り5.2m、高さ34m(東側)と同4.4m、29m(西側)の大木で、社叢を代表する神木とされています。

また、社殿や神殿には、虹梁や欄間および木鼻などに施された飾彫刻とその彩色が見られ、江戸時代中期の寺社建築の様式や技術を知る上で貴重なものとしてその歴史的価値も高く評価されています。