女神を祀る山頂から一望する絶景

女神山は、川俣町と伊達市月舘町の境界にある標高599.3メートルの山で、山頂には一等三角点が設置されています。その名は川俣町に養蚕や絹織物を伝えたとされる小手姫が祀られていることに由来しています。

女神山は「うつくしまふくしま百名山」の一つに数えられ、その美しい姿はまるで女神が住む山のようです。山頂からは北と西側が開けており、蔵王や吾妻連峰、安達太良山などの雄大な山々を望むことができます。特に春には、山頂直下のカタクリ平でカタクリの群生が見られ、その美しさは訪れる人々を魅了します。

登山道は良く整備されており、四季を通じて多くの登山者で賑わいます。登山口は複数あり、堀切登山口、椚平登山口、月舘登山口からアクセス可能です。それぞれの登山口には駐車スペースがあり、登山者カードの記載所や案内看板も整備されています。登山道の途中には、木々の間から山頂が見えるポイントや、休憩所も設けられており、初心者からベテランまで楽しめるコースが揃っています。

女神山の山頂には小さな社である女神神社が建立されており、古くから地域の人々にとって心の拠り所となっています。また、山頂に近づくと現れる玄武岩の岩は「雨降らし岩」とも呼ばれ、昔から「この岩に足をかけると雨が降る」と語り継がれています。

さらに、女神山の麓には樹齢400年以上といわれる「秋山の駒ザクラ」があり、4月には多くの観光客で賑わいます。この桜は福島県の緑の文化財にも指定されており、その美しさは一見の価値があります。また、近くには同じく緑の文化財である「あすなろ」もあり、自然の豊かさを感じることができます。