歴史と風情が息づく酒都の散策スポット

東広島市の西条は「京都府の伏見」「兵庫県の灘」と並んで「日本三大酒どころ」と言われており、酒造りに適した気候と豊富な地下水に恵まれ「酒都西条」としてその名を全国に轟かせています。
江戸時代に陛路の中継地として栄えた西条酒蔵通りは、経済産業省の「近代化産業遺産群続33」にも認定されており、JR山陽本線西条駅周辺の東西約1kmにわたり現在でも7つの蔵元が軒を連ね、伝統の技で日本酒を醸造し続けています。

西条酒蔵通りを歩くと赤レンガの煙突やなまこ壁、西条格子といった独特の建築様式が目に飛び込んできます。これらの建物は酒造りの歴史と文化を今に伝える貴重な遺産です。特に酒の仕込みが行われる冬の時期には、通り全体が柔らかな酒の香りに包まれ、一層の風情を感じることができます。

西条酒蔵通りの魅力の一つは、各蔵元で行われる酒蔵見学と試飲体験です。賀茂泉酒造、賀茂鶴酒造、亀齢酒造、西條鶴醸造、山陽鶴酒造、白牡丹酒造、福美人酒造の7つの蔵元がそれぞれの個性を持つ日本酒を提供しており、訪れる人々はその違いを楽しむことができます。また、酒の仕込み水の試飲も可能で、その清らかな味わいを堪能することができます。

酒蔵通りには酒蔵を改装したカフェやレストランも点在しています。これらの店舗では地元の食材を使った料理や酒を使ったスイーツなどが楽しめます。特に酒粕を使ったスイーツはここでしか味わえない逸品です。散策の合間に立ち寄ってゆったりとした時間を過ごすのもおすすめです。

西条酒蔵通りをより深く知るためには、地元のボランティアガイドと共に歩くのも一つの方法です。毎月10日と日曜日には無料のガイドツアーが開催されており、歴史や文化について詳しく学ぶことができます。