鎮西日光と称される絢爛豪華な社殿

祐徳稲荷神社は、佐賀県鹿島市に鎮座する、伏見稲荷大社、笠間稲荷神社と並ぶ日本三大稲荷の一つです。「鎮西日光」とも称されるその豪華絢爛な社殿は、訪れる人々を圧倒するほどの美しさを誇ります。
貞享4年(1687年)に創建されたこの神社は、旧鹿島藩主鍋島直朝の夫人、万子姫が花山院家から輿入れの際に、邸内に祀られていた稲荷大神の分霊を勧請したのが始まりとされています。倉稲魂大神、大宮売大神、猿田彦大神の三神を祀り、衣食住をはじめとする生活全般の守護神として、商売繁盛、家運繁栄、交通安全などのご利益があるとされ、年間約300万人の参拝客が訪れます。
特に目を引くのは、極彩色で彩られた壮麗な楼門です。日光東照宮の修復職人によって手がけられたこの楼門は、陽明門を模したもので、その豪華さはまさに圧巻です。本殿も舞台造りの上に建てられ、高さ18メートルを誇る壮大な建築物です。
境内には、神殿、拝殿、回廊、神楽殿などがあり、それぞれが精緻な装飾で彩られています。また、佐賀県重要文化財に指定されている命婦社は、木彫りの技術が非常に高く評価されています。本殿の奥には奥の院へと続く朱色の鳥居が連なり、奥の院からは有明海を一望できる絶景が広がります。
さらに、境内には四季折々の花々が咲き誇る美しい日本庭園も整備されており、参拝客の心を和ませます。春は桜、秋は紅葉の名所としても知られ、一年を通して様々な表情を楽しむことができます。