神秘的な白亜の空間

風連鍾乳洞は、大正15年(1926年)に発見された、国指定の天然記念物です。奥行き約500mの閉塞型鍾乳洞で、外気の侵入が少ないため、鍾乳石が風化することなく、純白に近い光沢を保っているのが特徴です。その美しさは、「日本で一番美しい鍾乳洞」と評されるほどです。

約2億6千年前の石灰岩の堆積物が長い年月をかけて溶け出し、固まってできた鍾乳石は、純白の結晶として様々な形を成しています。洞内は年間を通して一定の温度に保たれており、夏は涼しく、冬は暖かく、天然のクーラーのような空間です。

風連鍾乳洞の見どころは、何と言ってもその多様な鍾乳石です。天井から無数に垂れ下がるつらら石が、高さ4m、周囲3mの石柱を形成している「天上界」、鍾乳洞最大と言われる高さ10m、周囲6mの巨大な石筍「幽香連峰」、滝から水が流れ落ちるような様子を表現した「瑞雲の滝」など、20以上の洞穴群がそれぞれ個性的な名前と形を持ち、訪れる人々を魅了します。特に、最深部にある「竜宮城」と呼ばれる空間は、白く輝く鍾乳石が織りなす幻想的な光景が広がっています。