近江国一之宮、「お多賀さん」の名で親しまれる延命長寿の神様

多賀大社は、古くから「お多賀さん」の名で広く親しまれている近江国一之宮です。その歴史は深く、国土創世の神様である伊邪那岐大神(いざなぎのおおかみ)と伊邪那美大神(いざなみのおおかみ)の二柱を主祭神としてお祀りしており、生命の根源を司る神様として多くの人々に崇敬されてきました。
特に、両大神が多くの神々を生み出し、長寿を保たれたという故事にちなみ、延命長寿の神様としての信仰が篤く、老若男女を問わず多くの参拝者が訪れます。また、伊邪那岐大神が隠居された多賀の地に宮居を定められたという伝承から、夫婦円満や縁結びの神様としても深く信仰されています。
境内には、豊臣秀吉が母の病気平癒を祈願して寄進したと伝えられる太閤橋や、四季折々の美しい景色を見せる奥書院庭園など、見どころが豊富です。多賀大社の門前に続く参道には、昔ながらの風情を残すお土産店や飲食店が軒を連ねており、参拝後の散策も楽しみの一つです。「お伊勢参らばお多賀へ参れ、お伊勢お多賀の子でござる」という古謡が今も残るように、伊勢神宮との繋がりも深く、両社を合わせて参拝する人も少なくありません。